特発性歯痛とトリプタノール

Q&A

去年の10月、歯科大で特発性歯痛と診断されトリプタノールと診断され10ミリから始めたが100グラムまでいったが治らず、コロナの影響もあって地元の診療内科に行きサインバスターをすすめられ20グラムから40ミリまで行ったが完治しない。 そして、先生からこの病気は完治しないし再発の可能性が30パーセント言われ悩んで悩んでいます。 私も完治しなくても後少し良くなればと思っています。: 安原歯科医院の安原豊人です。
特発性歯痛などの慢性疼痛に対する有効性において、科学的根拠がしっかりしているのは、やはりアミトリプチリン（トリプタノールⓇ）です。
非定型歯痛の場合、痛みが消失するのに必要な平均用量はアミトリプチリンで一日80ミリグラムであったという研究報告があります。しかし、これはあくまで平均的な量であり、50％の患者さんは一日100ミリグラム未満の量では痛みが改善しません。１日250ミリグラムでやっと痛みが消えたという患者さんもいますので、効果が得られるまで増量することが必要です。少なくとも１日150ミリグラムまで増量する必要があるといわれています。もちろんトリプタノールⓇだけで十分な鎮痛効果が得られない場合には、リスペリドン（リスパダールⓇ）やオランザピン（ジプレキサⓇ）などの新規抗精神病薬が出ていますので、増強療法としてこれらを追加します。
ご担当の先生とよくご相談の上増量されることをお勧めいたします。